回想1


ふと、気が付くと、
僕は緑の木々に囲まれ佇んでいた。

どうやってここへ辿りついたのか、
まるで見当も付かない。

木々のざわめきと、微かに聞こえる波の音。
ここは・・・
いったいどこなんだろう。
そして、僕はこれからどこへ行けばいいんだろう。
僕の中の希望が不安に変わる。
だが、恐怖は感じない。
いや、むしろ何か期待するものがこの先には待っている、
そんな気さえしてくる。

僕は空を一度仰ぎ、木漏れ日の中を歩き始めた。