※革命:話し合い成功パターン 扇動者:人々よ、立ち上がれ!  惨めな飢え死にを迎えたくなければ、 武器を取って立ち上がるのだ!  治安は乱れ、悪漢が徘徊し、子供が泣く。  物の流れは滞り、作ったものは売れず、 必要なものは手に入らない。  我々はどれだけまじめに働いても、 明日食べるパンが手に入るかどうかさえ、  しかとはわからない! これも全て、王女の無能のせいだ!  我々の怒りを、王女に思い知らせてやれ! 民衆:うおおおおおお! そのとおりだ! ヴィンフリート:殿下。 領内の民衆が、徒党を組んで  こちらに向かっているとのことです。  兵たちによる鎮圧も、 効果が薄いようで。 こうなると、もう騎士でも……。 エクレール:数の上では、騎士よりも、 民衆のほうがずっと多いのですわよ。  ぶつかったら勝てませんわ。  そしてこの城は、暴徒から身を守るには、 ぜんぜん向きません。  旧城に落ち延びます? ヴィンフリート:生き延びるだけなら、それも良かろう。  だが二度とここには戻れないだろうな。  それではむざむざ、 王の試練を続ける権利を、 放棄するようなものだ……。 エクレール:……こんな状況になった時点で、 もう私達は負けですわ。 ヴィンフリート:……殿下、どういたしましょう。 フィーリア:民衆と話してみましょう。 エクレール:まあ姫様ったら。 ご自分の民のことを、 信じておられるのですね。 ヴィンフリート:……賛成いたしかねます。 民衆は愚かなものなのです。  殿下が何を仰ろうと、 彼らがそれを聞き、 理解することはないでしょう。  が、殿下がそうなさりたいならば、 それを止めるつもりはございません。  ……最後まで、お供いたします。 エクレール:私もお供いたしますわ。 何があっても、一緒ですわよ。 こうしてフィーリアは、 怒りを露にする民衆の前に、 姿を現すことになった……。 民衆:ざわざわ……。 エクレール:姫様、ファイトですわ。 ヴィンフリート:こういう状況では、 最初の一言が全てとなります。  ……あとは、殿下しだいです。 >愛する領民達よ、私の話を聞いて下さい。 フィーリアは真摯な瞳で、 眼下の人々に語りかけた。 その優しい声色は、人々の心に染みていく。 年若くして窮地にある王女の苦労を思い、 人々は同情と敬意の念を新たにした……。 >愚かな民どもよ、我が声を聞くがよい! フィーリアはその声を張り上げ、 眼下の者達に強く呼びかけた。 細い体から発せられる、 信じられぬほどの大音声に、 臆病な平民達は、ひるんだ。 我々の王女は、騎士の王女だ。 強き者なのだ……。 それを目の当たりにした民衆は、 自然とその覇気を失い、 従順な羊に戻っていった……。 >あなたたち、私が誰だか言ってごらん。 (成功した例がない) 破滅的な暴動は、 フィーリアの言葉により、 回避された。 しかし、民衆は忘れなかった。 力をあわせれば、王や騎士たちとも、 対等に渡り合えることを。 それが世に知れ渡ったとき、 剣と王の時代は、 終わりを告げたのである。 各地で、領主や騎士に対する 反抗が始まり、 それは次第に大きくなっていった。 『市民革命』の始まりだった……。 王女フィーリアは、 人々との争いを避け、 旧城へと退いたと伝えられている。 それはこの時代において、 唯一幸せになされた、 権力の移譲であった。 フィーリアの英断により、 ターブルロンドの革命期は、 最小限の混乱で済んだのだ。 それゆえに、以後の市民たちの時代でも、 この国は力衰えることなく、 諸国の盟主として名を馳せたという。 以後、王女フィーリアの名は、 歴史の表舞台にほとんど 登場しなくなるが……。 人々に愛され、敬われる、 ターブルロンドのシンボルとして、 長く生きたと伝えられている……。