※内戦END ……そのとき。 ……奇跡は、起きた。 ディクトール:その娘は私のものだ! 他の誰にも渡しはしないっ!  渡しはしないぞっ! (ヘルゼーエン:来ない←内戦ENDになりえないため) シルヴェストル:姫様ーっ。 クレメンス:殿下! あなたはまだ、死んではいけません! ロドヴィック:王女殿下を亡霊になど、 させはしない! ヴェンツェル:ここぞというときに現れる、  レディのためのヒーロー! ヴェンツェル見参!! リュシアン:殿下には……殿下には、 僕が指一本触れさせません! オベルジーヌ:お〜お〜〜、待たせたね。 私のかわいいお人形さん。  さあ、もう何も心配は要らないよ。 アデライード:フィーリア! この手につかまって! エピドート:アホウめ……。  姫君はまだ、死んでいいほど 生きておるまいよ。 バスティアン:聖騎士バスティアン!  フィーリアの為に、 シジェルから帰ってきたよ! (ウィーギンティ:来ない→シエンが来る。たとえシエンを毒殺していても) ヴィンフリート:……殿下! この手につかまってください! 早く! (ミロワール:来られない→エクレールへ) アストラッド:うおおおおっ! フィーリアーッ! ディトリッシュ:殿下、いましばらくの辛抱を。  このディトリッシュ、きっと貴女を 助け出してみせます! ヴァルター:殿下ーっ! ご無事ですかーっ! エヴァンジル:フィーリア姫ーッ! エリオット:姫様は僕が守るんだ! 『朱盾』の家紋にかけて! イリヤ:フィーリアーッ! ヴァン:うおおおおっ! フィーリア殿下ーッ! オーロフ:姫さん、もう少しの辛抱だッ! ザカート:殿下は、このザカートがお助けする! ユークレース:フィーリア姫! 騎士ユークレース、御前に参りました。 グイード:見捨てちまいたいところだが、  どうせ一度は捨てた命だ、惜しくはねえ。 ……嬢ちゃん、待ってろ! ヌシャトー:フィーリア姫は、助ける! フォルカー:姫! いまお助けします! レミー:他のやつらに何させてるんだい。  まさか、最初から僕をあてにしてたの? ふふ、姫様もなかなか性格が悪いなー。 フェリクス:忍び込むのはおまかせあれ。  にゃにゃんと、助けにきましたよ! コルネリウス:おまえらっ! 俺の大事な妹に、手を出すなっ! ジークムント:殿下〜! いまお助けしますぞーッ! ユーグ:フィーリア! 悪ぃな、遅れちまった!  だが、俺様が来たからにはもう心配すんな! ギィ:手のかかる王女だな……。  とはいえ、この戦場を与えてくれたことには 感謝せねばならぬ。 ウィレム:フィーリア様あっ!! ぼ、ぼく、助けにきましたー! シエン:……。 エクレール:姫様、どうやらこの王城も、 最後のときを迎えたようですわ。  いまさら旧城に逃げても、 無駄でしょうね……。  かくなる上は、せめて姫様だけでも、 生き延びて下さいませ。  大丈夫、姫様を追いかけるものは、 もういなくなりますわ。  ……王女フィーリアは、ここで死にます。  ……ごめんなさい!  エクレールのハンカチが、 フィーリアの口元に押し当てられる。  そこから立ちのぼる不思議な匂いが、 フィーリアの意識を奪っていった。  ……。  …………。  ………………。 エクレール:……ふぅ、これでよし。  ……あっ、ひ、姫様!? もう起きてしまわれたんですの?  ……この格好ですか? お気になさらず。 私は、この日の為に、おそばに居ましたの。  いとこ同士ですもの。 見破られはしませんわ。 さあ、姫様はお逃げください。  ここは私に任せて……。 ……姫様は、幸せになるのです! >ありがとう、エクレール。 エクレール:……さようならですわ。 私の愛しいお姫様。 こうして最後の王女フィーリアは、燃え落ちる城と運命を共にした。 王家を失ったターブルロンドは、それ以後長い戦国時代に突入。 各地の騎士達が覇を競う、群雄割拠の時代が続き、ついには一人の騎士が王になった。 だが拡大し続ける隣国ゲルツェンの力に抗しきれず、ターブルロンドは併呑。 大帝国の一地方に堕す事になる。 こうして偉大なる騎士の国は、この世界から消え去ったのだ……と、後の歴史書は語っている。 あの日、王城から落ち延びた一人の少女が、その後どのような人生を送ったのか……。 それに答えられるものは、ない。 >エクレール、死ぬなら一緒よ。 エクレール:姫様……。  ……わかりました。 それが姫様の望みなら。  ……大丈夫ですわ。 2人一緒なら、シジェルの野への道も、 きっと楽しいことでしょう! ロザーンジュに住む人々は、王城が燃え落ちる瞬間に、見たという。 美しい二つの白光が、黄金の光に導かれるように、天に昇っていくのを。 以後ターブルロンドは、諸侯が終わりなき戦争を続ける、暗黒時代に突入し……。 隣国ゲルツェンに征服される日まで、王となれる者が現れることはなかった…… と、後の世に伝えられている。 >……生きて、エクレール。 エクレール:……姫様。  ひどいですわ、そんな事いわれたら、 決心が揺らいでしまうじゃないですか。  ……わかりました。 ご命令の通りに。  やれるだけは、やってみましょう。 まだ戦いは、これからですものね! 後の歴史書を紐解けば、 ターブルロンドの歴史の中に、 面白い王を見つけることが出来る。 歴代唯一の女王である彼女は、内戦期中盤を境に性格が一変。 どうしようもない劣勢の中、貴人とは思えないしぶとさで逃げ回り、ついに内戦を生き延びる。 ターブルロンド各地が、諸外国に併呑されてゆく中、彼女は自領を奪還。守り抜いた。 その後即位した彼女は、領地を蝕む内戦の後遺症と、諸外国の干渉に苦しみながらも、責務をまっとう。 小さくはなったものの、『騎士の国ターブルロンド』を、この世に残すことに成功したのだ。 生涯独身ですごした彼女のことを、後の人々は国の母として慕い、称えたという。 伝説の女王フィーリア。彼女は今、王家の霊廟で、静かに眠っている。