※エヴァンジルとコルネリウス コルネリウス:エヴァンジル、貴様ぁ! エヴァンジル:なんだなんだ、いきり立って? コルネリウス:我と我が一族の名誉にかけて、 貴様は許さん!  剣での決闘を申し込む! エヴァンジル:まてまて、わけがわからん!  うわ、受けるともなんとも言ってないのに、 向かってくるんじゃなーい! コルネリウス:強い……。 エヴァンジル:いや、 そんだけ頭に血が上ってりゃ、 その辺の子供にも負けるさ。 コルネリウス:おまえにだったら、 妹をくれてやってもいいな……。 エヴァンジル:妹? お、おい。なんだそりゃ。 コルネリウス:幸せにしろよ。 でないと俺は、一生おまえを許さんぞ! エヴァンジル:ちょっと待て! 身に覚えがない! まったく覚えがないぞ! ※グイードとコルネリウス:1 グイード:……。 こねえな、コルのやつ。  チッ……。また悪い虫が湧いたか。 あのガキめ。  マノン、今日の訓練は無しだ。 ひとっぱしり、街中まで行くぞ。 下層民:うひゃー! 金貨だぜ!  へへへ……。 いつもありがとうございます、 コルネリウスの兄貴。 コルネリウス:ああ、メシなり武器なり女なり、 好きなものを買えよ。  お前達が俺の従者ってことを忘れず、 ちゃんと俺が遊ぶ供をするなら、  またいつでも金はやる。 下層民:お、おれは運がいいや。  こんな太っ腹の、ご主人に、 拾い上げてもらえたなんて。  ……んが? グイード:……。 下層民:んが!? き、騎士様だ! 騎士様がもう一人! グイード:おい、ぼうっとするな下民。  騎士と騎士が話をするんだよ。 さっさと消えろ。 下層民:はっ、はい……。 でも……。 コルネリウス:……いいよ、行け。 下層民:はっ、はい! コルネリウス:……ふん。 何しに来た、グイ……。  ぐああああっ! グイード:つまらん遊びはやめろと、 言っただろうが、このガキ! コルネリウス:ぐうっ……や、やめろ……。 くるし……! グイード:王様ごっこが楽しいか?  くだらん下民どもなど束ねてみても、 自分の身が穢れるだけだぞ。 コルネリウス:あ、あんたに言われたかねえ!  お、俺がなにをしようが、 勝手だろうが! グイード:そうはいかない。 かつて愛したひとの息子だ。  それに、オレは自分の価値を落とすような つまらん遊びは、しなかったぞ。 コルネリウス:くそっ! グイード:……やれやれ。 最近の若い奴らは、やる事が卑小な割に、  プライドばかり高くて始末におえん。  どうせやるなら、 もっとマシな事をやればよかろうに。  ……どうにもわからん。 ※グイードとコルネリウス:2 グイード:……おいおい。 またこねえな、コルのやつ。  こないだのじゃ、目が覚めなかったのか?  ……オレとしたことが、 どうやら加減を間違えたらしい。  マノン、今日も訓練は無しだ。 だが退屈せずに済むぞ。  今日は久々に、荒事だ。 コルネリウス:ぐあああっ!? 下層民:うひゃー! 金袋が落ちたぜ! 下層民:みろよ金貨だ、金貨がどっさりだ! コルネリウス:お、お前達、なんのつもりだ……。 下層民:ぎゃはは! なんのつもりだってよ! 下層民:俺たちゃぁ、頭がいいのさ!  いちいちあんたに金をもらうより、 あんたの金貨を奪ったほうが早いだろ!? 下層民:早い早い! コルネリウス:お、お前らは、どうしようもない馬鹿だ。  童話にある『黄金の毛を生やす羊』を、 殺すようなマネをしているんだぞ! 下層民:俺たちをケムにまこうったって、 そうはいかねえぞ! コルネリウス:……こ、言葉が通じん。  俺はこんな奴らと、 つるもうとしていたのか……。  くそ、せめてこの毒さえ飲まなければ、  こんな奴らに遅れをとったり しなかったものを……! グイード:『たら』『れば』を言ってる時点で、 騎士として甘いんだよ、ガキ。 コルネリウス:グ、グイード! 下層民:ひ、ひいっ!? こないだの騎士だぁ!? 下層民:武装してるぅ! 殺されるうっ! に、逃げろぉ! グイード:ああ、逃がしてやるとも。  お前達みたいな、臭い命をとっても 名誉の足しにもなりゃしない。  だが騎士をなめるとどうなるか、 ってのを体で語る、 生き証人になってもらうぞ。  馳せろマノン! まずは大きな奴の腕からだ! ……。 …………。 コルネリウス:……くっ。 グイード:どうだ、ちったぁ、 身に染みたか? コルネリウス:……俺が、馬鹿だった。 グイード:それがわかりゃあ、上等だ。 さあ、酒でも飲んで、忘れろ忘れろ。  そんな顔してると、 大事な妹が心配するぞ。 早くいつもの調子に戻ることだ。 コルネリウス:……あ。 グイード:なんだよ、なんかまだ、 文句でもあるのか? コルネリウス:……ありがとう。 グイード:は。 男に礼を言われても、 うれしかないねえ。 ※フェリクスとコルネリウス:1 フェリクス:はじめまして。 私、フェリクスと申します。 コルネリウス:おう、俺はコルネリウスだ。 よろしくな。 フェリクス:貴方のお噂はかねがね聞いておりますよ。  なんでも、素晴らしい妹さんが いらっしゃるのだとか。 コルネリウス:はっはっはっは! 我が妹の噂はそこまで広まっていたか。  それはお兄ちゃんとしても、鼻が高いぞ! フェリクス:いえ、どちらかというと、妹さんではなく、  貴方自身のシスコンぶりの噂 なのですが――  まあそんなことよりも、です。  私、今ちょうど暇を持て余している ところなんですよね。 コルネリウス:奇遇だな。 俺もたった今、任務を終わらせたばかりで  時間が空いているんだ。 フェリクス:なるほど。 それでしたらここはひとつ、  時間潰しのゲームでもしませんか? コルネリウス:ゲーム……だって? 一体どんなゲームなんだ? フェリクス:はい、簡単な推理ゲームです。  私が今からひとつのモノを頭の中で 想像しますので、コルネリウスさんは  それを当ててください。 コルネリウス:いやいやいや、ちょっと待ってくれ。  そんなもの、ヒントも無しに 当てられるわけがないだろう。  世界のお兄ちゃんだって万能じゃないんだ。 フェリクス:うーん、そうですか?  世界のネコネコ騎士には 造作も無いことなのですが……。  わかりました、それではこうしましょう。  コルネリウスさんは私に、 そのモノについての質問をして  頂いても構いません。 私はそれに正直に答えますので、  コルネリウスさんはモノの正体が わかったところで答えてください。 コルネリウス:ふぅむ。 それならまあ、いいだろう。 フェリクス:では、早速始めましょう。  ……はい、モノを思い浮かべましたので コルネリウスさん、質問をどうぞ。 コルネリウス:おう、質問いくぞ。 それは生き物か? フェリクス:生き物です。 コルネリウス:それは可愛いものか? フェリクス:はい、そうですね。 大変可愛らしいです。 コルネリウス:はっはっはっは!  楽勝だな。 もう答えがわかったぞ! フェリクス:おや、自信満々ですね。 して、その答えとは? コルネリウス:ズバリ、妹だ。 ……違うか? フェリクス:…………。  残念、ハズレです。 コルネリウス:な、なんだって! それじゃあ答えはなんなんだ? フェリクス:答えはネコです。  おっと、気がつけばもうこんな時間ですか。 早くお城に戻らないといけませんね。  コルネリウスさん、暇潰しに付き合って 頂きまして、ありがとうございました。 コルネリウス:お、おい! ちょっと待てお前――。 ※フェリクスとコルネリウス:2 フェリクス:こんにちは。 お久しぶりですね、コルネリウスさん。 コルネリウス:フェリクスか…… やっと再会することができたな。 フェリクス:おや、何か私に用事でもあったんですか? コルネリウス:おう、この前のゲームのリベンジを しようと思ってな。  ずっと探していたんだ。 フェリクス:なるほど、そうだったんですか。  ときに、それは一体どんなリベンジ方法 なのでしょうか? コルネリウス:ああ。 簡単に言えばこの前と逆のパターンだ。  今度は俺が出題する側で、お前が答える側。  これで俺が勝てば、 一勝一敗のイーブンになるという具合だな。 フェリクス:面白いですね。 受けて立ちましょう。 コルネリウス:当然だ!  よし……モノを思い浮かべたぞ。 さあ、どんな質問でも来い! フェリクス:それでは、答えて構いませんか? コルネリウス:答えるって……おい!  お前、まだひとつも質問してないだろう! フェリクス:ええ。私はネコネコ騎士ですから。  質問をしなくとも、 答えがわかってしまうのです。 コルネリウス:いやいやいやいやいや、それはおかしい。  例えお前がネコネコ騎士だとしても、  質問をせずに答えを当てられるはずなど あるわけがない! フェリクス:コルネリウスさん。 それが答えられるんですよね。  世の中には結構、にわかに信じがたいことが 転がっているものなんですよ? コルネリウス:よ、よし……。 そこまで言うのなら、わかった。  お前の実力、確かめさせてもらうぞ。 さあ、答えてみろッ! フェリクス:はい。 いきますよ、コルネリウスさん。  貴方の思い浮かべたモノはズバリ――。  ――妹です。 コルネリウス:あ、当てられたッ! ※コルネリウスとウィレム:1 コルネリウス:ちょっとそこのお前。 ウィレム:えーっと……僕のことですか? コルネリウス:ああ、その通りだ。 ウィレム:僕の知っている方……ではないですよね。 何か御用でしょうか? コルネリウス:……お前、妹はいるか? ウィレム:なんだか唐突な質問ですね。  いえ、兄弟は一人もいないですけど、 それが何か……。 コルネリウス:ふぅむ、やはりな。  ひと目見たときから、 そうではないかと思っていた。 ウィレム:あの……それは一体、 どういうことでしょうか?  全然、話が見えてこないのですが……。 コルネリウス:お前の身体つきが軟弱すぎるということだ。  そんなことでは『お兄ちゃん』が 務まるはずもないからな。 ウィレム:……なるほど。 すごい推理ですね。 騎士というからにはやはり、  あなたくらいの洞察力は 必要なんでしょうか……。 コルネリウス:はっはっはっは! まあ、お前も精進することだな。 ※コルネリウスとウィレム:2 ウィレム:あ、こんにちは。 またお会いしましたね。 コルネリウス:おお、お前はいつぞやの軟弱騎士。  そういえばまだ、 名前を聞いていなかったな。 ウィレム:そうですね。 僕はウィレムといいます。 貴方は? コルネリウス:俺は世界のお兄ちゃんコルネリウスだが……  ふむ、ウィレムか。 いまいちぱっとしない名前だな。 ウィレム:うう、そうですか……?  自分ではそれなりに 気に入ってるんですけれど。 コルネリウス:まあ、そこまで悪いとは言っていない。  ただ、ぱっとしないというだけだ。  しかし、どう差し引いて考えても、 お兄ちゃん的と言い難いのは確かだな。 ウィレム:お兄ちゃん的とは言い難い、ですか……。 コルネリウス:うむ。 つまりは、俺のような頼れる騎士には  なれそうもないということだ。 ウィレム:そ、そんなぁ。 それじゃあ困っちゃいますよ……。  僕はどうしても、強くて頼れる騎士に ならなければいけないんです。 コルネリウス:しかし、そうは言ってもなぁ……。  いや、ひとついいことを思いついたぞ。 ウィレム:な、なんですか? 教えて下さい! コルネリウス:お前、妹になれ。 ウィレム:い、妹――? コルネリウス:ああ、その通り。 お兄ちゃんは無理な相談だ。  だがな、お前のそのか弱さであれば、 それはそれは素晴らしき妹になれるぞ。 ウィレム:あの、妹でも立派な騎士に なれるんでしょうか……? コルネリウス:前例はないがまあ、無理でもないだろう。  よし、そうだな。 これも何かの縁だ。  ここは俺が一肌脱いで、お前が立派な妹に なるための特訓を施してやろう。 ウィレム:コルネリウスさん――。  わかりました、よろしくお願いします! ※コルネリウスとウィレム:3 ウィレム:――お兄ちゃん。 大好き!  あの……どうでしょうか? コルネリウス:ふぅむ……。 よし、合格だ! ウィレム:わーい! やったー! コルネリウス:今日まで、苦しい修行をよく耐えたな。  お前はもう、どこに出しても恥ずかしくない 立派な妹だ。 ウィレム:ありがとうございます! 僕もこれでやっと一人前の騎士として――。 コルネリウス:いやいやいやいや、待て。 ウィレム:はい? どうしたんですか? コルネリウス:少し勘違いしているようだが、  一人前の妹になれたからといって、一人前の 騎士になれるというわけではないぞ。 ウィレム:え、そうなんですか? ちょっと話が違うような――。 コルネリウス:むしろ騎士としては後退したかもしれない。 ウィレム:そ、そんな……。 コルネリウス:まあ、些細な問題に過ぎないがな。 それよりも、だ。  立派な妹となったお前にだな、俺の妹を 紹介してやりたいと思うのだが、どうだ?  妹同士、話も合うことだろう。 友達になってやってくれないか? ウィレム:……いえ、遠慮しておきます。  それじゃ、僕は用事があるのでこれで――。 コルネリウス:いやいやそうと言わずにだな……  っておい、どこへ行くんだ? ……おーい!  えらい落胆した様子で どこかに行ってしまいやがった。  一体何がどうなってるんだ。 最近の妹の考えることはよくわからんな。 ※ヴァンとコルネリウス 王子イベント コルネリウス:そうか、フィーリウス王子を 探しているのか。  あの王子、きれいな顔に似合わず、 相当遊んでいたみたいだな。  変装しては、『ねずみ取り横町』に 行ってたのを知ってる。  その変装が、またうまくてなー。 ヴァン:『ねずみ取り横町』!? あの悪名高い暗黒街に、か? 嘘だ! コルネリウス:そう言われると思ったから、  妹以外の誰にも話してなかったんだよ。  もちろん、俺の妹も 信じようとしなかったがね。  『ママ・グランデ』の配下と接触してた、 なーんて話もあるな。 ヴァン:そんな連中とつき合いがあっただと……? バカな……。 コルネリウス:そんなにショックなものかね?  民衆の上辺だけを見てる王子なんて、 ろくな王様にならんとは思わないか?  好意的に考えれば、あの王子は、 民草の声を直接聞きたかったのかも しれんなー。