※ヴァルターとヴァン:1 ヴァルター:だいぶ、剣の腕が上達してきたな。  槍も使えるレベルになってきた。 だが、迷いが見られる。  おまえ、まだ王子を探しているのか? ヴァン:自分は、王子の騎士ですから。 ヴァルター:おいおい間違えるな。 おまえは今、王女殿下の騎士なんだ。  例え俺が相手で、それも冗談だとしても、 絶対にそんなことを口に出すな。  いったん雇われれば、雇用主が 正義に反しない限り、忠誠を誓う。  それは騎士である以上に、 大人としての常識だぞ? ヴァン:言いたいことはわかります。 が……。 ヴァルター:悩んではいるんだな。 わかるよ。それが剣筋にも出ている。  まあいい。どちらであれ、 迷いなく『誰々の騎士だ』といえるようになれ。  そうすれば、剣や槍の狙いも定まる。 ヴァン:……ありがとうございます。 ※ヴァルターとヴァン:2 ヴァルター:よーし、ヴァン。 今日は体をつくるためにも、  街でうまいものを食ってこようじゃないか。 ヴァン:お誘いは感謝するが、遠慮しておこう。 ヴァルター:なんだ、手持ちが乏しいのか?  心配するな、 若いのに奢ってやるくらいの金は、 持っているさ。 ヴァン:いや、そうではない。 飲食は宿舎でするようにしているだけだ。  体をつくるときも、 それを変えるつもりはない。 ヴァルター:宿舎のメシだけじゃ、飽きるだろう?  酒もそろっちゃいるが、 銘柄優先で本当にうまい酒が無い。 ヴァン(笑顔):たしかに惣菜の種類は少ない。  だが、厨房の者たちが、 心を込めて作ってくれるものだ。  定番の野菜シチューなど、 季節ごとに具の仕入先を変えているらしい。  よく噛めば、その土地ごとの味わいがある。  パンも朝夕の焼きたて、肉は新鮮。  味に飽きたと思ったことは無いし、 食べずに済ませては申し訳ない。 ヴァルター(笑顔):……そういう言い方をされると、  宿舎の飯のほうが魅力的に思えてくるな。 ヴァン(瞑目):ん? すまぬ、ヴァルター殿の行きつけの店を、  批判したつもりはなかったのだが……。 ヴァルター:いやいや、心配するな。 言葉を悪く受け取ったわけではない。  だが、酒はどうだ? 宿舎で出る酒は、銘柄こそ立派だが、  気取りすぎな味だと思わんか。 ヴァン:酒は……。 たしなむ程度だから、なんとも。  君主と仰ぐ方の傍で、 仲間に囲まれて飲む酒ならば、  銘柄はかまわん……なんでもうまく飲める。 ヴァルター:ほう、雰囲気で飲む男だったのか。 こいつは意外だったな。  ひとりでちびちびやるのが好きかとばかり。 ヴァン:自分が飲みの輪に加わると、座がしらける。  そういう意味では、 ヴァルター殿の言うとおりだ。  みなが盛り上がっているのを肴にして、 ひとり手酌を傾けるのが常だった。 ヴァルター:……おまえ、いいやつだなあ。  よしわかった。 今夜は俺と一緒に、 宿舎で飲み明かそうじゃないか! ヴァン:……志同じくする男と、 夜を徹して飲む……、か。  一度やってみたいと思っていたのだ。 エクレール:……お酒の備蓄がなくなったぁ!? どういうことですの?  まだまだ備蓄があったはずでしょう? 料理長:ヴァルター殿とヴァン殿が、 すこし嗜みたいといって、  何本か持って行かれたのですが……。  あとから何度もやってきて、 結局全部……。 エクレール:……そーいうのは、嗜むではなくて、  がぶのみっていうんですわ。  大体、今日はあの方達、 訓練だったはずですのに……。 まったく。 ※エヴァンジルとヴァン:1 エヴァンジル:やぁやぁ、同士ヴァン。 今日の相手は、君かな? ヴァン:エヴァンジル殿か、よろしくご教授頼む。 エヴァンジル:硬い、硬いなー、君は。 老人くさいって言われない? ヴァン:これが性分だ。 気にしておらん。 エヴァンジル:おいおい、気にしろ。気にしろって。  私たちは、フィーリア姫の騎士。 フィーリア姫の顔といってもいいんだぞ。  姫のかわいらしいところをアピールすべく、  私達も愛想良くしなければならんよ。 ヴァン:なるほど、エヴァンジル殿の言葉にも、 一理以上のものがあるな。  だが愛想とは……。 これは難しい。 エヴァンジル:だいじょうぶだいじょうぶ。 だから私がここにいるんだろう?  私に任せておけば、君もすぐに、 姫にふさわしい騎士に早変わりだ。  まずはなんといっても、お洒落だよ。  その制服は、城の中ではいいかもしれないが、 ちょっと流行に遅れているな。  どれ、ちょっと街に出るか。 私がいいのを見繕ってやろう。 ヴァン:断る。これは王子殿下から戴いた制服だ。 エヴァンジル:……はいはい、そりゃしょうがないね。  確かに、もらったものは、着ないと失礼だ。 じゃあ、その剣だ。それを変えよう。  今の流行は、何と言っても、 西国ブエンディア風の曲刀……。 ヴァン:ターブルロンドの騎士ともあろうものが、 敵国の剣などもてるか!  汚らわしい! むっ? まさか貴殿の剣は……。 エヴァンジル:あー、いやいや! 曲がってない、曲がってないよー。  ほーらよくみてごらん、 曲がって無いだろ?  曲がって見えたら、それは目の錯覚だ。 ヴァン:……。 エヴァンジル:……な? ヴァン:……。 そうか、錯覚か。 近頃、目を酷使しているからな……。 エヴァンジル:……はー……。 ほんと疲れるな、ヴァンの相手は。 ヴァン:どこが疲れたのだ? まだなんの訓練もしていないぞ。 エヴァンジル:えい、うるさいよ! いいから黙ってついてこい! ヴァン:どこへ連れて行くつもりだ? エヴァンジル:お嬢さんがたが集まる、 街のカフェーだよ。  お洒落以前に、 君はもうちょっと世間を知れっ! ヴァン:なるほど、努力してみよう。 エヴァンジル:ああ、もう……。 ※エヴァンジルとヴァン:2(底なしのヴァン) エヴァンジル:よーしヴァン。  今日は君に、私が得意としている、 話術のコツを教えよう。 ヴァン:うむ。 よろしく頼む。 エヴァンジル:話術を磨くにはまず、 やわらかーい頭が必要だ。  なんと言っても、相手の考えを読み、 言葉を聴き、臨機応変に語れなければ、  良い結果はもたらせないからね。 ヴァン:そうなのか。 それは……難しそうだな。 エヴァンジル:……うん。君にそれを教えるのは、 すごく難しそうだ。  無理って気もする。 まあそれでも! 方法はちゃーんと考えてある!  とにかく、ここじゃだめだ。 私についておいで! エヴァンジル:そこの麗しきお嬢さん。  まずはこのお店で、 一番おいしいお酒を頼むよ。 ヴァン:……酒場ではないか。 自分は飯を食いに来たのではないぞ。 エヴァンジル:おお、騎士王に栄光を!  あなたのような豊満な美女に、 出会うことができるなんて!  ささ、こちらのテーブルで、 一緒に呑みませんか?  ……え、飲まない? そう……。 ヴァン:エヴァンジル! エヴァンジル:うわおっ!? 思ってない思ってない!  どうせ特訓しても無駄だから、 君をさっさと酔い潰して、  一人で遊ぼう……なんて思ってないよ!? ヴァン:そうか、思ってないならば、いい。 エヴァンジル:あーあ……。  ま、ここに来た目的は、だ! 酒を飲んで、頭を柔らかくすることだよ。  さあ、君も飲め飲め。 その真面目な様子じゃ、  あまり酒盛りなんてしないだろ? 酒も話術も慣れだよ、ヴァン。 ヴァン:うむ、わかった。 いただこう。 ……ぷはっ。 エヴァンジル:おお……いい呑みっぷりだねえ。  じゃあ私も、少し付き合って呑もうかな。 ……。 …………。 ヴァン:……どうしたエヴァンジル。 もう呑まないのか? エヴァンジル:ま、まだまだだよ。 これくらいで……。  あららら〜〜? ひざが笑って立てないよ〜? ヴァン:まだ1樽も飲んでいないではないか。 もっと呑まんと、酔えんぞ。 エヴァンジル:お、おかしいな〜。 こんなはずじゃあ……。 ※ヴァンとヌシャトー ヌシャトー:…………。 ヴァン:…………。 ヌシャトー:…………。 ヴァン:…………。 ヌシャトー:…………。 ヴァン:…………。 ヌシャトー:……食事。 ヴァン:……ウム。 >王子イベント ※ディトリッシュとヴァン 攻略本にはヴァン初期雇用が条件とあるが、  そうでなくても王子いずこ(マンハイム)前なら発生?(通常難易度) ディトリッシュ:失踪した王子? ヴァン:寝室から、忽然と消えたのだ。 行方を探している。  黒貴族の執政であったというおまえなら、  噂くらい耳にしたことがあると思ったのだ。 ディトリッシュ:残念ながら、王子の行方は知らぬ。 ただ……。  黒貴族本人ならば、 知っているかもしれない。  あの方の趣味は、美術品の蒐集だ。 それも、生物・無生物は問わず、だ。  己の奴隷にし、城に留めおくのだ。  もしかしたら、王子が黒貴族の コレクションとなっている、  という可能性も有り得るな……。 ヴァン:フム……訪ねてみるか。 ディトリッシュ:マンハイムの黒曜城を、か!?  ……あの御方は、価値のある 相手にしか会おうとせぬ。  あの最果ての地まで噂が届く程度の、 武勇や知性の持ち主でなければならぬのだ。  ……まあ、己の技量に自信があるならば、 会いにいくのもよかろうが。   ※ヴァルターとヴァン ヴァルター:うむ、確かに、王子の剣の腕は 確かなものだった。が……。  強いて文句をつけるならば、 実戦慣れしていなかった。  王宮育ちの人間に、実戦慣れしろ、 というのも無理な話ではあるのだがな。  ヴァン、おまえの剣にも、 似たようなところがある。 他の技も覚えろ。  足払い、目つぶし、フェイント、頭突き。  短剣使い相手には、剣の柄で殴ることも 必要になってくる。  懐にいる相手には、 剣を振り下ろすより、柄で殴った方が  早いことはわかるだろう。 ヴァン:そんなのは面倒だ。 騎士のやることではない。  懐を狙ってくるような詰まらん手合いは、  従者にでも相手させれば良いでしょう。 ヴァルター:真正面からの決闘ならいざ知らず、  一度戦場へ立つようなことがあれば、 事情は変わってくる。  敵は、国王候補者だけではない。  この『試練』が終われば、外敵との 戦いも予想されるのだ。  いまのうちに、騎士以外の戦い方を 身につけておけ。 ヴァン:……心得た。 ※ヴァンとオーロフ オーロフ:フィーリウス王子? ああ、知ってる。  父が存命の間、よく父の下へ 遊びにきていた。  ……といっても、あれを『遊び』と 称していいかどうか。 ヴァン:なにをしていたんだ? オーロフ:戦の訓練だよ。  剣の訓練ではないぞ。 いくさ、戦争の訓練だ。  人狼、オーク鬼、手強い射手ク・メル、 ゴブリン小鬼の呪術師どもとの  戦い方だった。  目つぶし、噛みつき、なんでもアリの、 まさしく人狼の戦い方だよ。  『黒貴族と戦争でも始めるのか?』 父が冗談めかして尋ねた時、  王子はこう答えたんだ。 『もっとおそろしい相手かもしれない』 ……ってな。 ※ヴァンとレミー ヴァン:口だけかと思っていたが、 なかなかやるではないか。 レミー:いやいや、僕には向いてないな。  貴族を相手にしてる方がよっぽど気楽だ。  ああ、そうだ。 君、フィーリウス王子を探してるんだって? ヴァン:行方を知っているのか!? レミー:彼のことを捜すのはやめた方がいい。 あれはおそろしい男だよ。 ヴァン:ナニ!? レミー:じゃあね。 ヴァン:待て、どこへ行く! 待てーッ! レミー(焦り顔):おいおい相棒。 彼、まだ追いかけてくるよ。  まるで走り出した牛だね。 ヴァン:待てー! パミラ:あら、ヴァン殿、また走り込みかしら。 クラリッサ:誰か追われてたみたいだけど……。 パミラ:誰かが盗み食いでもして、 追いかけられてるんじゃない? レミー(困り顔):はあ……はあ……。  なんで僕が追われなきゃならないんだ! ヴァン:待てー! レミー:はあ、はあ……。 な、なんなんだよ! ヴァン:王子のことを教えろ! レミー:教えただろう! 彼はおそろしい男なんだ。 ヴァン:どのように! レミー:はぁ……はぁ……。 少しくらい休ませてよ。  まったく、彼は仮にも、 騎士王の直系男児なんだぜ。  お人形扱いだった妹にさえ、 アレだけの底力があったんだ。  彼なら言わずもがな……じゃないかな? ヴァン:キサマ、王子のなにを知っている! レミー:言ったって信じないだろうから、 言わないよ。  君たちが彼のことを、 よく見ていなかっただけさ。 ヴァン:居場所を知っているのか!? レミー:さすがに知らないよ。 知りたくもない。  巻き込まれるのがオチだからね。 ヴァン:キサマ! 教えろーッ! レミー:おっと。 僕が教えられるのはここまでさ。  あとは自分の、目と耳で確かめるんだね。 真実はひとつじゃない……。 ヴァン:…………。 ※ヴァンとコルネリウス コルネリウス:そうか、フィーリウス王子を 探しているのか。  あの王子、きれいな顔に似合わず、 相当遊んでいたみたいだな。  変装しては、『ねずみ取り横町』に 行ってたのを知ってる。  その変装が、またうまくてなー。 ヴァン:『ねずみ取り横町』!? あの悪名高い暗黒街に、か? 嘘だ! コルネリウス:そう言われると思ったから、  妹以外の誰にも話してなかったんだよ。  もちろん、俺の妹も 信じようとしなかったがね。  『ママ・グランデ』の配下と接触してた、 なーんて話もあるな。 ヴァン:そんな連中とつき合いがあっただと……? バカな……。 コルネリウス:そんなにショックなものかね?  民衆の上辺だけを見てる王子なんて、 ろくな王様にならんとは思わないか?  好意的に考えれば、あの王子は、 民草の声を直接聞きたかったのかも しれんなー。