・ジークムント ※陽だまりの下で ジークムント:このジークムントをお招きいただき、  光栄の極みでございます。  今日は天気もよく、 足腰の調子もよかったので、  フィークト森林へ散歩してきました。  子供の頃、わしがあそこでよく遊んだ という話はしましたかの?  ……そうじゃ!  いまから殿下を、森へお連れしましょう!  遠慮なんてせずに、ささ、 お仕度してくだされ! ジークムント:どうです? ぽかぽかして気持ちがいいでしょう。 >心まで暖かくなります。 ジークムント:本当にのどかで、いい日和ですじゃ。  どうにもわしは、寒いのが苦手でして、 暖かい方が好きなのです。 >なんだか眠くなってしまうわ。 ジークムント:本当にのどかで、いい日和ですじゃ。  どうにもわしは、寒いのが苦手でして、 暖かい方が好きなのです。 >どうしてこんなところに……。 ジークムント:まあまあ、たまには いいではありませんか。  王たる者、あらゆる状況の変化に 対応できねば! カッカッカ! ジークムント:もう何十年も前の話になりますが、  よく、わしと兄と、幼なじみのエテルナで、 この森を探検したものです。  ここは、先々代の国王陛下の 御領林でしたから、子供が遊んでも  平気なんですじゃ。  森の中を、騎士王が攻略したという 王城地下の大迷宮に見立てましてな。  兄ギャランは、勇敢なる騎士王になりきり、 最後には、わし演ずる黒貴族と  対決するわけです。  あの頃は、黒貴族役のわしが、 その本人と剣を交えるなどとは  思っても見ませんでしたのう。  ……おっと、どうもいかんなあ。  歳を取ると、昔のことばかり 思い出すようになってしまう。  歳は取りたくないものです。  ……む、そうじゃ! わしの記憶が確かなら……。  ……うーん、このあたりにあったはず なのじゃが。  どうも目が悪くなっていかんのー。  ……いえ殿下、青くて、 6つの花弁を持つ花を探しておるのです。  わしが子供の時分、このあたりで よく見かけたのですが。  殿下に、お見せしたかったのですが なあ……。 >もう帰りましょう。 ジークムント:そうですなあ。 ※ここで終了 >私も一緒に探すわ。 ジークムント:おお、殿下の御手を借りられるとは、 光栄の至りですじゃ。  そうじゃ、この辺には触れただけでかぶれる  毒草の類も多いし、ごく少数ながらも 野菜怪物もおります。  無害の植物と、毒草や野菜怪物との 見分け方をお教えしましょう。 ジークムント:……それじゃ! 殿下、その花ですじゃ!  これが、カルダーノの花です。 ちょっと貸してみてください。  このように、茎を折ると、 ほら、汁が出てくるじゃろ。  さあ、吸ってみて。  ……甘くておいしいでしょう?  宮廷で出てくる飲み物のような、 洗練された味ではないかもしれませんが、  これはこれで、うまいものです。  昔は野山を駆け巡り、そこら辺に なっている物を採っては食っておりました。  ……ああ、こりゃ失礼、 また昔の話をしてしまいました。  どうにも、歳を取ると……。 >話がループしてますよ。 ジークムント:…………。  カッカッカ! >昔の話を、もっと聞かせて。 ジークムント:おお、では城へ帰る道すがら、  このわしの英雄伝をたっぷりと ご紹介しましょう! ヴィンフリート:……花の蜜を吸うために、  森で一刻かけて、ドレスを砂埃まみれに してきたわけですか。  なにをやっているんだか。 まったく、ジークムント様にも 困ったものだ……。 ジークムント:先日は、フォークト森林に、 無理矢理連れて行ってしまって  申し訳ありませんでした。  あのあと、執政官殿にこっぴどく 叱られてしまいましてのー。  『自分に無断で遠出するとは何事だ!』 ……とな。  いやはや、彼は、 相手が老人でもまったく容赦せん!  変わった青年ですの。 >『英雄』を叱るなんて、無礼もいいとこね。 ジークムント:いやいや、それだけ殿下のことを  大切に想っておるのじゃよ。  人生において、人は、5人の親友と、 ひとりきりの運命の相手に  出会うのだそうです。  殿下は、長い人生の中、すでに5人の中の ひとりを見つけ出しておるのですぞ。  幸運と言わずしてなんと言いましょう。 >まあ……あれはジークムント様が悪いわ。 ジークムント:カッカッカ! そう真正面から言われてしまうと、  なんとも言い返せませんな!  マ、死にかけた老いぼれの、 最後のわがままと思って 大目に見てくだされ! >ええ、彼は少し変わってますよ。 ジークムント:ですが、とてもいい青年です。  国と殿下のことを第一に思っておる。  融通の利かないところもありますが、 きっと殿下を、よい方向へ  導いてくれるでしょう。 ジークムント:いやあ、今日はいい天気ですのー。  道端で仔猫がうたた寝しておりました。  こういうひは、リューマチの症状が 軽いので助かります。  寒いと、どうしてもリューマチが 発症しますからのー。雨の日なんて  最悪ですじゃ。 いつまでも、晴れの日が 続けば良いのですが。 >いつまでも晴れてて欲しいわね。 ジークムント:ええ。 いつまでも晴れる……もちろん、  それでは困るのですがの。  雨が降って、作物が育つ。 わしにとっては災いでも、  農家にとっては騎士王の恵みですからの。  何事も、そういうものなのかもしれません。 >リューマチ大変なの? ジークムント:ご心配していただきありがとうございます。  関節が痛むと、剣や槍を持つのにも 一苦労ですからの。  殿下の試練が終わったなら、 温泉にでも浸かって、ゆっくり休もうと  思っております。  じゃが、休んでばかりだと、 今度は体がなまってしまいますからの。  定期的に雇ってくださると、 体を動かすいい機会になります。  まだまだ若い者には負けませんぞ。 カッカッカ! >鍛え方が足りないのよ。 ジークムント:よーし、体力の有り余ってる 若いのと特訓しまくって、  体を鍛えるとしますかの!  殿下、一年後をお楽しみに。 筋骨隆々となったわしの姿を  お見せすると約束致しましょう!  まだまだ若い者には負けませんぞ。 カッカッカ! ジークムント:殿下、ご機嫌麗しゅう。  今日はどのようなお話をご所望ですかな? ジークムント:よっこらせっと……ふーっ。  さて、今日もわしの冒険譚を お聞かせしましょう。 ジークムント:どっこいしょっと。いやあ、  この部屋は、不思議と落ち着きますのー。 エクレールさんや、茶はまだかの。