・アストラッド エクレール:ふう……アストラッド殿は、 今日も遅いですわね。 アストラッド:フィーリア、待った? >ううん、今来たところ! アストラッド:そっか、オレと一緒だな! よかったあ、待たせなくて済んで。 エクレール:姫様……おいたわしや。  アストラッド殿にあわせるため、 アホの子のふりを……。 >待つのはぜんぜん平気よ。 アストラッド:そっか。でも次からは、 もっと早く来られるようにするよ。 >ちょうど公務が終わったところよ。 アストラッド:そっか、じゃあ遠慮なく遊びに出られるな。  じゃあ、いこうか! エクレール:姫様、今日のお仕事は、 これでひと段落ですわ。  そろそろアストラッド殿が いらっしゃるはずです。  ……遅れなければ……ですけど。 アストラッド:おーい、フィーリア。 来たよ、入れて! エクレール:あ、今日は早かったですわね。 アストラッド:やあフィーリア、お待たせ! 今日はどうする? エクレール:姫様はお仕事が終わったばかりですわ。  まずはお茶でも飲んで、 落ち着かれたほうが良いかと。  遊ぶ時間は、十分にありますもの。 アストラッド:うん、そうだな。 じゃあ、フィーリアは、何飲む? >レモン水を。 アストラッド:ああ、あれはさっぱりするよね!  エクレールさん、オレも同じものを! エクレール:姫様と同じレモンは使いませんわよ?  でも、まあ、ふたり分お持ちしますわ。 >甘いコクァール茶を。 エクレール:かしこまりました。  今日は肌寒いですし、 熱めにしてお持ちしますわ。 アストラッド:コクァール茶かぁ。 ずいぶん飲んでないなあ。  あれ、自分で淹れると、 なかなかおいしく出来なくて。  苦くなっちゃうんだよね。 エクレール:そこらへんはもう、 腕前の見せ所ですから。 アストラッド:おいしいのなら、オレも飲みたいな。  ミルクたっぷりにしてもらっていい? エクレール:まだまだ、子供の味覚ですわね。  でも、かまいませんわよ。 少々お待ちを。 >ワインのお湯割り。 エクレール:赤でよろしいですわね? アストラッド:お、お酒かあ……  フィーリアは、結構お酒飲めるんだよな。 エクレール:こら、そこ。 姫様をのんべみたいに 言わないでくださいませ。  それがお酒かどうかは重要ではないのです。 おいしいと思ったら、飲む。  それが、貴族のたしなみというものですわ。 アストラッド:あはは、じゃあオレ、 ワインはおいしくないから、 飲まないや。  飲むと頭くらくらするんだよね。 エクレール:執政官殿あたりに言わせれば、 社交界では飲めないと恥をかく……。  とのことですけれど。 まあ、無理して飲むものではありませんわ。 アストラッド:じゃあ、オレは、あったかいレモン水で。 アストラッド:あー、おいしかった!  いいなあフィーリアは、 いつでもおいしいものが飲めて。 エクレール:えへん。 お褒めにあずかり、 恐悦至極にございますわ。 アストラッド:さあフィーリア、 今日は何して遊ぼうか? アストラッド:そこでシュウは、ようやく声を上げた!  『えい! 俺こそがシュウ本人だ。 よくも言いたい放題してくれたな!』 エクレール:ふふふ、あはは! アストラッド:おどろいたのは闇の狼!  まさか目の前の小僧が、 白銀の部族の若長だとは!  『これはしまった、だがまて、人の若長。   まずはこの炙り肉を食らってから!』  シュウは当然、答えていわく。  『たしかにそうだ、 まずは旨いところをやっつけよう!』 エクレール:あっはっは! おっかしー!  アストラッド殿、 どこでそんなの覚えてきましたの? アストラッド:ああ、旅の芸人が演じてるのを ちょっと見て、あとは即興。  だから、毎回展開がちがっちゃうんだ。  ……っと、と。 いきなり話しかけるから、 筋を忘れちゃったよ。 なんだっけ? >まずは旨いところをやっつけよう! アストラッド:それだ、フィーリア!  シュウはすらりと剣を抜き、 丸焼きの肉を切っては食べ、 食べては切り!  狼も負けじとその爪ふるって食べ比べ!  さて、肉を丸ごと食べ切れば、 これはこまった、互いに腹が膨れて、  とても剣など交わせない! エクレール:あっはっは! >シュウは狼を一刀両断に! アストラッド:それだ、フィーリア!  シュウはすらりと剣を抜き、 えいやの声で、振り下ろす!  哀れ狼は一刀両断! 恐るべきは白銀の民、 その若長の剣の冴え! エクレール:おー、すごいすごい、 本当に即興ですわね。 >シュウと狼は、仲良くディナーを楽しんだ! アストラッド:あれー? そうだっけ? まあ、それでいいや!  シュウはすらりと剣を抜き、 丸焼きの肉に切りつける!  はらりと削がれたその焼肉を、 一枚二枚と皿の上へと重ねれば!  闇の狼、これに応え秘蔵の酒の栓を抜く!  あとは騒ぎだ、狼も人も、 みんな揃って、どんちゃかどんちゃか! エクレール:あはは! 姫様、意地悪ですわね!  でも、アストラッド殿も、よくやりますわ! アストラッド:フィーリア、今日はきみに、 渡したいものがあるんだ。  ……これ。  父の従士だったという人が、先日、 オレに届けてくれたものなんだ。  その人、父の遺言で、 オレの成長をずっと影から 見ていてくれたんだって。  そしてオレに、恋人ができたら、 その人の為に渡すようにって……、  これを十年近く、守ってくれてたんだ。  ……恋人か。 今のオレには、そういうの、 考えられないから……。  オレのすべてであるきみにこそ、 これを捧げたいんだ。  さあ、うけとって……。 衣装:アクセサリ 『聖騎士の誓い』 を手に入れた! アストラッド:王女殿下におかれましては、 ご機嫌麗しゅう。  殿下の騎士アストラッド、 参上いたしました。 >大儀である、騎士アストラッド。 アストラッド(笑顔):いえ、姫様のためならば、 たとえどこからでも……。  ……いえ、これも騎士の勤めですゆえ。 ヴィンフリート:…………。 >アストラッド、あのね……。 アストラッド(怒り顔):……オレのような漂泊の騎士に、  気安くお言葉をかけてはだめです。  あなたはこの国の王女なのです。 ご身分を、ご自覚ください。 ヴィンフリート:……。 >(なにも言わない) アストラッド(困り顔):……王女殿下? ヴィンフリート:殿下はご気分が優れないご様子。  かまわず、そのまま報告を続けよ。 アストラッド:殿下……。 ……わかりました。  では今節の、御領地の様子を……。  人心は健やかに育まれており、 諍いごとは以前より少なくなっています。  商店の品も増え始め……。 アストラッド(困り顔):……フィーリア……。 エクレール:この窓から彼が飛び込んできたのは、  つい先日のことでしたのに。  その彼に、耐え忍ぶ姿が 似合うようになるなんて。  男の子って、本当に急に 大人になるんですわね。  ……すこし、羨ましいですわ。 >私も大人にならなければいけないわね。 エクレール:そうですわね。 彼が払っている犠牲に見合うだけの、  いい女にならなければいけませんわ。  騎士たちに、多くの義務があるように……  それが私たちレディの義務ですもの。  ……あるいはそれは、 王としての資質にも関わってくる かもしれませんが……。  ……大丈夫ですわ。 姫様には、素質があります。 私が保証いたしますわ。  アストラッド殿の想いに応え、 決断した姫様は、とっても素敵でしたもの。 >もうすぐ、追い越されてしまいそうね。 エクレール:姫様は、私よりも大人ですわよ。  そうでなければ、王の試練にここまで、 耐えられるわけがございませんもの。  アストラッド殿などでは、まだまだ、 姫様にふさわしくはありませんわ。  ……ふふっ。 でもまあ、有望株、だとは思いますけどね。 >まだまだ、かわいいわ。 エクレール:ヒュウ。おっしゃいますわね、姫様。  まあ、ね。女が一方的に恋心に縛られる、 と思ってる段階で、彼にはまだまだ  成長の余地がありますわ。  もとより、恋は駆け引き。 だまし、だまされ、あやつり、あやつられ。  ……そして、 縛られて見せるのも、技のうち。  それがわからないようでは、 彼も、宰相殿も、まだまだ子供ですわ。  ……いえ、 殿方全体がそうかもしれませんわね。  ふふふ……。 アストラッド:フィーリアが呼んでくれると、 なんだかドキドキするよ。 ヴィンフリート:殿下、予定通り、 お求めの騎士殿をお招きしました。  しかし残念ながら、 彼は所用で登城できないとの事。  侘びの手紙を預かっております。