>ギィ ・どこでも 工作を命じられたギィ。 特に悩むでもなく、早々に活動を開始した。 そして……。 ギィ:……これでよし。 次の任務を待つか。 羊飼い:……なあ、おい。 今のいかつい騎士さま、何やってたんだ?  なんかぶんぶん剣を振っていたが……。 羊飼い:俺に聞くなよ ……っておい、見ろよあれ! あそこの岩肌!   王      女      派 羊飼い:……『王女派』。 剣一本で岩に文字を刻んでたってのか!  すげえ腕前だな……でもよう。 羊飼い:ああ。 こんな森の奥の岩肌なんて、 誰が見にくると思ったんだろうな……。 ・エプヴァンタイユ リュシアン:ギィ殿が『竜殺し』エセルバート だって噂、本当ですか? ギィ:騎士エセルバートは、 200年前に死んだと聞いているが。 リュシアン:邪竜を殺した時、その血を浴びて以来、  不老不死になって旅をしてるんですよ。 ギィ:そうか。 リュシアン:なーんだ、エセルバートじゃないんですか。  なら、協会剣士ウッサンですか? ギィ:……なんだ、それは。 リュシアン:シュウの子孫で、仮面をかぶった 協会の死刑執行人なんです。二刀流。 ギィ:聞いたこともない。 リュシアン:知らないんですか、 『執行人ウッサン』って本。 ギィ:ああ……本か。 そういった物語は、ほとんどが、 作者の創作なのだぞ。 リュシアン:そうなんですか!? ギィ:本が好きか。 リュシアン:はい。 領地から出ない僕には、 本だけが世界なんです。 ギィ:本は私も読む。 リュシアン:そうなんですか? そうは見えません。  ……あっ、いえ、そういう意味で 言ったわけではないんです。 ギィ:そなたと同じだ。 剣士である私には、本だけが、 違う世界を知る術なのだ。 リュシアン:少し意外です。 なにかおもしろい本を教えてください。 ギィ:よかろう。 例えば……。