>ユークレース ・ロクス・ウィリデス:1 ヴェンツェル:は〜〜っはっは! そこな悪人ども、覚悟しろ!  この通りすがりの騎士が天罰を下す! チーズ:ひ〜〜っ、おたすけ〜〜!? 群集:ヴェンツェル様〜〜! ありがとうございます〜〜! ……。 ユークレース:……危ない危ない。 彼に見つかるところでした。  殿下もひどい人ですね。 私を、彼の領地に送り込むなんて。  知らずにしたのか、知っているのか……。  ……とにかく。 さっさと工作を終えて、 この街を出るとしましょうか……。 ・ロクス・ウィリデス:2 ユークレース:ふう……。 影響力のありそうなところは、  これで一通りまわりましたね……。  ……ごほっ。 少し、体が痛むようです。 早めに宿に帰るとしますか……。 ヴェンツェル:そこの騎士、しばし待て! ユークレース:……!? ヴェンツェル:我が領地のあちこちで、  色々王女のことを喧伝して歩いている…… という騎士はお前だな!  王の試練の最中ゆえ、主の言を携えて 行脚するのはやむをえないが、  我が領民達を 荒事に巻き込みかねんようなことは……。 ユークレース:あぶないことなど、させませんよ。  民を心配するのはよいですが……。  あまり過保護なのも、考え物ですね。 ……兄さん。 ヴェンツェル:ん……おお……っ!?  ユークレース! ユークレースじゃないか! 戻ってきたのか!  そんな格好をしているから、 気がつかなかったぞ。  さあ、一緒に館に帰ろう。 お前の部屋は、あの日のまま、  綺麗に残してあるからな。 ユークレース:兄さん。気持ちはありがたいですが……。  見ての通り、私は今、 フィーリア姫のために戦う騎士なのですよ。  任務がありますので、 これで失礼を……。 ヴェンツェル:ま、まてユークレース!  また行ってしまうのか!? おい!  ……おお、ユークレースよ……。 ・ロクス・ウィリデス:3 その日、騎士の訪問を受けた ヴェンツェルは、驚きに目を見開いた。 彼の前に現れたのは、 以前、彼のもとから逃げるように去った、 弟のユークレースであったから。 ヴェンツェル:ユークレース、どうした風の吹き回し……。  いや、たずねに来てくれたのは嬉しいが、 いささか急に感じてな。 ユークレース:フィーリア姫に、この地でのことを、  一任していただいておりますので……。  ロクス・ウィリデス領主に、 確実に王女派になっていただくには、  直接交渉せぬわけにもいかないでしょう。  ……この家に帰ってきたわけでは、 ありません。 ヴェンツェル:そうか……。残念だよ。  私のほうは、お前が何時帰ってきても、 かまわんのだがなあ。  とにかく、姫君に感謝だ。 こうしてまた、お前と向かい合って  話すことが出来たのだから。 ユークレース:はは、それならば、 私の役目は果たせたようです。  では、これで……。 ヴェンツェル:お、おいおい、それはないだろう!  せめて、ディナーくらい、 一緒に食べようじゃないか。  今日のディナーは、 盾ほども大きいステーキだぞ? どうだ? ユークレース:……うっぷ。 いえ、遠慮しておきます。  そんなものばかり食べていると、 体をおかしくしますよ、兄さん? ヴェンツェル:しかし、肉を食べないと、  領民達を守るための力がでないじゃないか。 ユークレース:……やれやれ。 調理場は変わっていませんか?  なんなら、私がディナーを作りましょう。 ヴェンツェル:おお、いいのか!? 久しぶりにお前の料理が食えるな。 ユークレース:まあ、あまり早くおいとまして、  主君の心象を悪くしても、なんですし。 ……これくらいのことでしたら。 ・エプヴァンタイユ エプヴァンタイユでの工作を命じられた ユークレース。 領主に、馬の目利きの教授を求められた。 リュシアン:そういえば、あなたの愛馬の名前、 ノーライアって古の聖人の名前ですよね? ユークレース:さすが、よくご存知ですね。 誠実、正直を生涯貫いた人物……。  私も、かくありたいと思いまして。 リュシアン:なるほど。 愛馬の名前を呼ぶたびに思い出すんですね。 ユークレース:はい。 ……特に、馬上で、自分を見失いそうになる  ときなどは、本当に効果的なんですよ。 リュシアン:へええ……。 ・マンハイム マンハイムでの工作を命じられた ユークレース。 街中を行くうちに、とある騒動に出くわす。 ユークレース:随分と激しく言い争っているが……。  周囲は全くの無関心、ときている。 この町では日常茶飯事ということか? 怪しげな男:……もしこれがお前のものだとして、  お前の言うようにオレがスったとしても、 それが一体なんだと言うんだ?  スられたお前が悪いのさ、この間抜け。  間抜けは「食い物」にされる、 それがこの町マンハイムの掟だろ? ユークレース:……。 困った町だ。