>イリヤ ・エプヴァンタイユ:1 エプヴァンタイユでの工作を命じられた イリヤ。 考えごとをしているうちに、郊外に来ていた。 イリヤ:……しまった。 馬上で考え事をしているうちに、  ずいぶん町を離れてしまった。 こんな人気のないところで工作など  ……ん? 誰かこちらに走ってくる。 郊外の農民:騎士さま――――!  お助けください―――!! イリヤ:血相を変えて、どうした!?  賊が出たか、それとも獣か! 郊外の農民:いえ、先日の大雨で用水路に デカい岩が転がり込みまして。  どかすか砕くかしてほしいんです。 イリヤ:……。 今から町に戻っても、何もできないな。  それくらいなら……よし、案内しろ。 ・エプヴァンタイユ:2 エプヴァンタイユでの工作を命じられた イリヤ。 街道で、先日の農民にまた出くわした。 郊外の農民:ああよかった、騎士王様のお恵みだ!  ――騎士様、騎士様、 どうか私たちをお助けください! イリヤ:……今度は何だ。 それとも、今度こそ賊か、獣か? 郊外の農民:水車の軸がズレてきてるみたいで。  えいやッと元に戻してほしいんです。 イリヤ:……わかった、わかったから、 そんなすがるような目で見るな。  村はあっちだったな? とっとと行くぞ。 ・エプヴァンタイユ:3 エプヴァンタイユでの工作を命じられた イリヤ。 何と農民たちが街道で待ち伏せをしていた。 郊外の農民:騎士さまー!  騎士さまー!    騎士さまー!  騎士さまー!  騎士さまー!  騎士さまー! イリヤ:ええい、お前らいい加減にしろ!  少しは自分達の力で前に進もうとしろ! 郊外の農民:ですが……。  『騎士様の訪れは騎士王様のお恵み』 と言いますし……。 イリヤ:……。 今でもそんな言い伝えを信じてるとは。  なんてすれてない連中だ……。  えい、わかった。 こうなったらとことん付き合ってやる。  困ったらいつでもオレを呼べ! 郊外の農民:おおおー! ありがとうございます騎士さま!  ありがとうございます騎士王様! イリヤ:『ありがとうございます王女様』、  も付け加えておけ。オレがここに来たのは  あいつの計らいなんだからな。 ・レメディオス イリヤはフィーリアの風評を高めるべく レメディオス領内で活動していた。 彼が街中を歩いていると……。 イリヤ:ん……? 何やら熱気のある集まりがあるな。  よし、あいつらを抱き込むとするか。 親衛隊:我らッ! アデライード親衛隊!!  ――お前たちに問うッ、 我らが麗しの領主さまのために死ねるか!?  オウ!!  オウ!!  オウ!!     オウ!!   オウ!!  オウ!!  オウ!!  オウ!! イリヤ:……。  質実剛健、尚武の街と聞いていたが、 何かが違う気がする。何かが。 ・ベルジュロネット ベルジュロネットでの工作を命じられた イリヤ。領主のもとを訪れたら、 なぜか馬術の腕前を披露される羽目に。 オベルジーヌ:はいよー、オペラジスト! 今日もいい蹄音だぞ、それ!  はいよー、オペラジスト! 今日もいい蹄音だぞ、それ! イリヤ:オペラジスト……オペラ、なのか?  それとも、オベルジーヌ、だからか? オベルジーヌ:いななけ、オペラを歌うがごとく!  このオベルジーヌが愛馬に相応しく! イリヤ:両方か。まあ、らしいといえばらしいが。  しかし……趣味がよくない。  ……退屈だ。 オレは何をやっているんだ。 オベルジーヌ:どうだいイリヤくん! 舌を巻くだろう、圧巻だろう!  我が馬術、その美技に酔い痴れたまえ! イリヤ(困り顔):はあ。