>ディトリッシュ ・ロクス・ウィリデス ロクス・ウィリデスでの工作を命じられた ディトリッシュ。 領主を誘い、遠乗りに出た。 ディトリッシュ:――しかし、トゥアゴワレンとは  ずいぶんと不思議な響き。 名の由来は何なのですか? ヴェンツェル:ん? 我が愛馬トゥアゴワレンの、 名の由来?  ……はて。 ディトリッシュ:まさか……お忘れになられたのですか!? ヴェンツェル:うむ。 ディトリッシュ:み、自らの愛馬の名の由来を……。  それはまた……すごい……ですね。 ヴェンツェル:うむ! わっはっは! ・エプヴァンタイユ(イベント後) リュシアン:ディトリッシュ殿は、『黒貴族』の  執政をなさってらしたんですよね。 黒貴族って、どんな方なんですか? ディトリッシュ:子供のように身勝手で、 しかし生きるのに飽いている。  長く生きすぎたせいで、 何物にも興味を抱けないのだ。 リュシアン:失礼ですが、あなたも『闇の者』ですよね。  黒貴族の息子というお噂がありますが、 本当ですか? ディトリッシュ:なぜ、そんなことを聞く? 私が怖いか? リュシアン:いいえ、逆です。  最近読んだ小説の主人公が、 魔王と人間の合いの子だったんです。  だから、どんな気分なのかな、って。  ディトリッシュ:騎士王に選ばれた勇者の主人公は、  恐怖の魔王である父親を殺すのか? リュシアン:はい、よくおわかりになりましたね。 読んだことがあるのですか? ディトリッシュ:だとすれば、父殺しだな。 珍しくもない話だが。 リュシアン:そう……ですね。 ディトリッシュ:いずれにせよ、私は 伝説の勇者などではない。  仮に黒貴族の息子だとしても、 親に刃を向けるつもりはない。  どんな親であろうと、親は大切なものだ。 リュシアン:そうですか、わかりました。 失礼なことを聞いてごめんなさい。 ディトリッシュ:いいんだ。好奇心を持たぬより、 持っていた方がいい。 リュシアン:『子供のように身勝手で、 しかし生きるのに飽いている』  か……。  いったい黒貴族って、 どんな人なんだろう? 会ってみたいなあ。 ・アルジャン 宰相領アルジャンでの工作を命じられた ディトリッシュ。 この領地の特性を掴むべく、方々を歩いた。 ディトリッシュ:三方を外国に囲まれた土地……。  それだけに、領内の備えには 至るところに工夫が見られる。  宰相殿の抜かりのなさ、 さすが――と言うべきか。  こちらも、心してかからねばなるまいな。 ・マンハイム マンハイムでの工作を命じられた ディトリッシュ。 彼はこの町を隅々まで知っている、が。 ディトリッシュ:……ん? いま、店の軒先に、  おかしなものが居たような……。 行商人:へい、らっしゃい! エプヴァンタイユの名酒に、  ゲルツェンの銀細工だ! 現品限りだよ! さあ、買った買った! ディトリッシュ:商売とあらばどこへでも、か。 たくましいことだ。  ……その覇気、闇よりも恐ろしい。