エヴァンジル:……ははは。 なーに、こんな軽い剣の一本や二本……。  ぐわ〜〜っ!? いててて! に、握れない……っ!  くぅ〜〜っ、かっこ悪い。 こんなところ、淑女達には、 絶対に見せられんなあ……。  ああ、それよりも……。 どうする? これじゃ誰にも雇ってなんか……。 ウィーギンティ:……心配する必要はありません。 エヴァンジル:うわっ!? 司教! いつの間に!? エヴァンジル:先ほどから、ずっとです。  ……のた打ち回っている姿は、 見ないほうが良かったですか。 エヴァンジル:いいよいいよ。 あんたには一度、 みっともないとこ見せてるしな。  ああ、あんたが実は、 見目麗しい淑女だというなら、 話は別だがね。 ウィーギンティ:なるほど、そういう方法でも、 良かったのですか……。  調査不足でした。 エヴァンジル:ん? あんた、なにを持ってきたんだ? ウィーギンティ:エヴァンジル殿の手の傷を、 治療・修復する効果のある薬です。  これがあれば、あなたはまだ、 騎士を続けることが出来るでしょう。 エヴァンジル:なっ……!? いや、それは確かに、 とてもありがたいが……。  ……悪いが、協会員になるのはごめんだ。 その仮面は、私の美学に反するんだよ。 ウィーギンティ:ご心配なく。 これはあなた方人類の技術です。  今朝方、ゲルツェンで調合されました。  ですから、同じものを、 こちらで用意することが出来たのです。 エヴァンジル:……良くわからないなあ? とにかく、使ってもいいんだな? ウィーギンティ:どうぞ。 あとから『協会員になれ』 などとは申しませんから。 エヴァンジル:ありがたい! これで親子ともども、 メシに事欠かずに済む!  ……でもなんで、わざわざ? ウィーギンティ:それは秘密と言うことに しておきましょうか。 ※イリヤのイベントを全てこなしていて、イリヤを呼ばない イリヤ:……やっと来たか。 そんな技術を使う割には、 遅いじゃあないか。 ウィーギンティ:我々の技術は、 移動の時を負にすることもできるし、  旅立つ前に旅立つことも出来る。  だが、約束したときの変更を、 事前に察知することはできない。 イリヤ:いつもながら、よくわからんな。 なにか意味あることを言ってるのか? ウィーギンティ:可能な限りの真実を。 なぜならば、グラニ王イリヤとはこの後、  長い時を共有しなければ ならないのだから……。 イリヤ:大げさな言い方するな。 ただ、あんたがグラニの協会の、  司教として派遣されるだけだろう?  まあ、あんな小国に、 あんな位の高い協会員が来てくれるのは、  光栄ではあるし、頼もしいが。 ウィーギンティ:私も、あなたの手助けを出来ることが、 光栄だと思っている。 従士(ハウゼン):若様! アルジャン行きの馬車が出ます! イリヤ:……よし、行こうか司教。 オレたちの国へ。  ……って。 自分だけ先に!  おいウィーギンティ! どうせなら、オレも一緒につれていけー!