エリオット(制服):戴冠式のフィーリア様、 とってもきれいでしたね! イリヤ(私服):ああ。 協力した甲斐があったというものだ。 エリオット:イリヤ様はこれから、 どうなさるおつもりですか? イリヤ:国へ帰ろうと思う。 エリオット:えっ? イリヤ:殿下を見ていて、決心がついた。  オレも、オレ自身の力で 国を取り戻そうと思うんだ。  殿下にあってオレに欠けていたのは、  行動力だ。オレは、『不幸な境遇』に 甘えていたんだな。 エリオット:……行っちゃうんですか? イリヤ:な、なんだよ。 その、捨てられた仔犬みたいな目は。 エリオット:いえ……さみしくなるな、って。 イリヤ:まあ、話の続きを聞いてくれ。  ……殿下にあって、オレに欠けてるものが まだあるとすれば、それは優秀な部下だ。  政治を支える執政官のヴィンフリート、 精神面を支える侍女のエクレール、  そしてオレたちのような騎士。  だから……オレも部下が欲しい。 その……おまえのように優秀な騎士がな。 エリオット:それって……! イリヤ:来るのか、来ないのか! エリオット:うーんと、うーんと。 お手当て次第でしょうか。 イリヤ:え!? エリオット:うふふ、冗談ですよ!  さあ、連れていってください、 あなたの国へ! エリオット(制服):待って! 待ってください! ギィ(私服):おぬしは……。 エリオット:僕も連れていってください! ギィ:なぜ。 エリオット:もっと……もっと稽古を つけて欲しいんです。 ギィ:ならぬ。我が往くは暗黒道。  悪鬼羅刹の待ち受ける、 シジェルの門への一方通行よ。 エリオット:構いません。 僕はもっと、ギィさんから 剣を教わりたいんです! ギィ:いくら言葉を尽くそうと、 おぬしの決心は揺るがぬようだな。  ならば来い。 だが、自分の身は自分で守れ。 それができぬならば死ぬのみよ。 エリオット:はいっ! ヘルゼーエン:……さて、ゲームは終わってしまったな。  しばらくは手出しする必要もあるまい。  世代が移り変わるまで、 20年、30年といったところか。  長くはないが、まばたきの間とも言えん。  エリオット。 エリオット(笑顔):はい、ヘルゼーエン様。  あなたの『花嫁』はここに。 ヘルゼーエン:どうやら、 お前と遊ぶ時間が出来たようだよ。  さあこちらにおいで、エリオット。  お前のかわいい仕草を、楽しむとしよう。 ヘルゼーエン:まあ20年くらいは、 飽きずに遊べるだろう。  そのあとを、どうするかね……。